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中房川扇状地 [歴史・伝説]

「天蚕」
中房川扇状地の有明地方は天蚕の生育地として有名である。天蚕は家蚕に対して、山野で自生する緑色鮮やかな繭(まゆ)を作る。有明は天蚕の成育に適した扇頂部に位置し、土地がやせていることから天蚕の餌になる、クヌギやナラの生育が悪く木が高くならず食べやすい、やわらかな葉をつけ、日当りも風通しも良く病害虫の発生も少ない条件に恵まれていた。
天蚕飼育は江戸時代の天明年間(1847年頃)といわれ、愛知方面から技術者を招いて、有明の農家の主婦や女子に天蚕製糸の技術が伝えられ、製糸を全国各地に販売したり有明紬を製品にして有名になった。明治時代に入り有明の曽根原林三氏が関東各地に出向き、飼育法・製糸法などを広め、明治30年代に天蚕飼育は全盛期を迎え、約3000ヘクタールの飼育林では足りず関東地方にまで飼育林を広げた。当時糸の主な販路として、岐阜・越後の見付・京都西陣・群馬の桐生などがあった。
その後、時代の変化に伴い衰退の一途をたどったが有明紬は継承され、昭和50年有明紬は信州紬の中の伝統工芸品に指定されて有明に、天蚕センターが建設され地場産業として現在に至っている。
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